資金計画書の作り方

今回はマイホーム計画で最も重要な資金計画について伝えていきます。どれだけ、いいハウスメーカーや土地をみつけても、予算には限界があります。好きなだけお金を使うことができれば、悩むこともありませんが、一般的なサラリーマン子育て世帯にはそんな余力はありません。理想のマイホームを叶えるには、適切な資金計画を立てることが重要です。実際に家を建ててみて大事だと思ったことを中心にまとめましたので、資金計画を作るときの参考にしてください。

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資金計画のラインを決める

最低ラインを決める

マイホームを購入するときによく言われるのが、絶対に見積もり金額よりも高くなるということです。ハウスメーカーも最初から高い金額を提示するよりも少しでも低い金額を提示したほうが契約させやすいので当然です。さらに、打合せの中で、いい設備に変えていけば費用はどんどん上がっていきます。
そこで、まずはモデルハウスをみて土地をみた結果から、理想の家づくりに最低どのくらいの費用がかかるのかを把握していきます。
前回の記事でも書きましたが、建売住宅だと、ローコスト住宅で約2,000万円~、中堅の建売で約4,000万円~で土地と建物が購入可能です。希望する地区や、どの程度の設備が必要なのかなどを考慮して、我が家では最低ラインを中堅の建売4,000万円に決めました。
最低ラインを決めることで、注文住宅と比較する際に、建売の良さや注文住宅でどこまで妥協するべきかが明確になっていきます。

最高ラインを決める

最低ラインを決めたら今度は最高ラインを決めます。注文住宅では本当に魅力的なオプションがたくさんあり、上を見るときりがありません。我が家では元々、一生賃貸宣言をしていたこともあり、最高ラインは、[3LDKの賃貸に住んだ場合の家賃額]=[毎月の住宅ローン返済額]となるように決めました。
僕が住む地域の3LDKの賃貸の相場が、共益費込みで12万円~15万円程度でした。
住宅ローン返済額は住宅ローンシュミレーションサイトで、返済期間、金利等を自分のライフスタイルに合わせて入力していきます。
住宅ローンを借りている会社の同僚に聞くと金利の目安が分かるのでシュミレーションもしやすくなります。我が家の場合は、35年ローン、金利0.45で計算した結果、4,800万円~5,000万円くらいが上限となりました。
ここをしっかり設定することで、資金計画を変更する際の指標になりますので、理想だけではなく、普段の生活水準に合わせて現実的な計算ができると理想的です。
住宅ローンの話は奥が深いので、別の回で伝えていきたいと思います。

内訳を知る

資金計画の下限、上限を決めたら、今度は何にどれくらい費用がかかるのかを詳細に設計していきます。
僕も設計当初はここまで詳細に考えることができませんでした。
実際にマイホームを建てたからこそ、ここからの内容を知っていれば、当初から適切な資金計画が考えられたと後悔しています。

土地にかかる費用

まずは土地です。
土地にかかる費用の大きいところは、「購入価格」「仲介手数料」です。
購入価格は土地そのものの費用なので理解しやすいと思います。
意外と盲点なのが、仲介手数料です。
賃貸物件のように家賃の2か月分というようなものではなく、「(物件価格×3%+6万円)×消費税」というのが基本になります。物件価格×3%が想定以上に重荷になってきます。
例えば物件価格2,000万円の土地を購入しようとしても、仲介手数料だけで、72万6千円がかかります。
物件価格の金額にもよりますが、50万円~100万円は物件価格からプラスして想定しておく必要があります。
他にも登記費用が30万円~50万円程度、細かいですが印紙代が2万円ほどかかってきます。
このように、土地情報をみて物件価格のみを予算として想定していると、それだけで、数百万円の予算オーバーになってしまいます。
上記では、資金計画の下限・上限を設定しましたが、マイホーム計画の初期である土地購入の時点で、既に資金計画が崩れることになってしまいます。そしてこの埋め合わせを建物購入費用でするのか、予算を増やすのかになってしまうので注意してください。

建物にかかる費用

次に建物にかかる費用です。
ここはハウスメーカーから見積もりを貰えば理解できますが、ハウスメーカーごとに見積もりの内訳が違うので注意が必要です。

時間と労力があれば、気になるハウスメーカーの見積もりは全て請求することをおすすめします。実際に見積もりを請求することで、資金計画に収まらないハウスメーカーが明確になります。後々、やっぱりあのハウスメーカーがよかったなぁと思わないためにも数字として踏ん切りができることはとても重要です。

建物は土地と違い様々な項目で計算されています。ハウスメーカーとしては施主に契約をしてもらうことが第一歩です。そのため、見積もりでは設備のランクを落としたり、内訳の項目を減らして全体的に安くみせることがあります。
最終的にはどのハウスメーカーで建てても掛かってくる申請関係や引っ越し費用などを始めから内訳に入れてくれるハウスメーカーは良心的だと思います。

建物の費用で一番大きいのは、建物工事費(建物全般の費用)です。見積もりだと、建物工事や建築工事といった項目でひとまとめにしてあることが一般的ですが、その中身を確認することが重要です。先にもお伝えしましたが、ハウスメーカーごとに標準設備が異なるため、建物工事費に含まれるものが低品質のものであれば、オプションでどんどん費用を上積みしないといけなくなってしまいます。見積もり時点で建築費用の内訳まで比較するのは根気がいるかもしれませんが、自分がこだわりたい部分だけでも、見積もりに入っている商品を聞くことは重要です。
建物にかかる費用は項目が多いので、次回以降でまとめていきます。

造成工事、外構工事

資金計画として見落としがちなのが、造成工事外構工事です。
造成工事は土地を更地にして境界にブッロクを積み建設時に近隣に土などが流れなくします。敷地面積によりますが、数十万円は費用に入れていく必要があります。さらに地盤改良が必要になれば100万円ほどが必要になります。地盤改良が必要になるかどうかは、土地を購入した後に調査をする(これにも費用がかかる)ため、資金計画上は地盤改良があるものとして考えておいたほうが安心です。土地を購入する際に昔の文献や土地情報を確認して、付近に川などがなかったかなどを確認することで少しはリスクを減らせますが、あとは調査をしたときの運任せになってしまうことが多いようです。

次に外構工事です。外構工事はどれくらいこだわるかにもよりますが、建物、土地に次いで費用がかかる項目です。外構工事も内訳が様々なので、別の回で紹介できればと思いますが、物価上昇の影響もありますが、200万円から400万円は費用として入れておくべきです。

その他

他にも細かい内容ですが、固定資産税(賃貸の場合はかからない)や火災保険料、空調設備代、カーテン代なども資金計画に入れておく必要があります。部屋数や窓の数にもよりますが、これだけでも100万円ほどは予算として考えておいたほうが安心です。
また、家電や照明器具の買い替えなども考えると、さらに余剰資金は確保しておくべきです。

まとめ

以上のように、資金計画といっても、土地と建物、外構工事、その他雑多な買い替えを考慮すると、手間がかかる作業です。一方で、資金計画を疎かにすると、実際に建物の打合せが始まったときに妥協するところを悩むことになります。そしてハウスメーカーを決めてしまったあとでは変更もできないため、そのときの予算で考えるしかなくなってしまいます。
少しでも理想を叶えるためにも資金計画は綿密に行いましょう。

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